華道・茶道・コーヒー道。
コーヒーを飲まずにリラックス。
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ご家庭でのコーヒーの楽しみ方が多様化してくる中、しぜんやとしてはやはり王道のドリップをおススメいたします。
なぜなら、こだわるほどに自分だけの一杯にたどり着くから。
・・・という当たり前のことは、コーヒー好きの方へは今さらですよね。
深いこだわりと探求心を持っている方はたくさんいらっしゃいます。
では何がおススメかというと、ドリップそのものです。
ドリップバッグでも結構ですよ。
コーヒーを淹れる一連の行為=「コーヒー道」として考え、その効果に着目しました。
エチオピアのご家庭では来客を茶道のような「コーヒーセレモニー」でおもてなしされるそうです。焙煎から始まって一緒にコーヒーを飲むところまで、です。なかなかですよね。
今回おススメしたいのは、もう少しライトな「コーヒー道」。
そして、おもてなしではなく自分のためのドリップです。
ご存じの通り、ドリップはいったん始まると手も目も離せません(美味しく淹れたければ)。
ジィーーーっとその場に立ち尽くし、ただ、ただ、一定に静かに湯を注ぎ続けます。
粉の膨らみを見守りながら手元でドリップを感じ、集中する目はうっすらぼっけら・・・。
ほんの数分ですが、本当に自分だけの時間。
そこだけが切り取られたような空間と瞑想のような落ち着きを感じたら大成功ですね。
いかがでしょう、大げさですか?
しかし集中が生むリラックスは、自分だけの呼吸を取り戻す時間です。
そして、呼吸は心そのものです。
ドリップ瞑想後は心おだやか、コーヒータイムも深々ゆったりできるんですよ。
今は、世間、常識、情報など、社会に翻弄される毎日ですよね。
気が付かなくとも心が疲弊して、ゆとりがすり減って、呼吸は「つらい」と浅くなるものです。
瞑想、哲学、心や頭で物思うとき、集中したいときは、リラックスできる場所や事を好むようですね。
ギリシャの哲学者たちは机に向かってではなく、外を歩いて哲学していたそうです。
インドのお釈迦様は涼しい木陰に座って瞑想していたそうですね。
ギリシャの哲学者はきっとお散歩が好きだったでしょうし、蒸し暑いインドのお釈迦様は涼しい木の下がお気に入りだったのかもしれません。
いずれにしろ後世に残る偉大な教えは、「散歩」と「木陰」から生まれたわけです。
ほのぼのした話ですね。
いずれにせよ、落ち着いた呼吸と良い学びを得る、「集中とリラックス」は同じシチュエーションを好むみたいです。
さて、やっとコーヒー道の価値が見えてきました。
お湯を沸かして、豆を選んで、計って、挽いて・・・集中の時間が始まり徐々に深まっていきます(この作業からしてまさに華道・茶道です)。
そして、数分間のドリップ瞑想・・・・・。
自分のために注がれた1杯のコーヒーを持って、ギリシャの哲学者やインドのお釈迦様のように物思いにふけってください。
肩書と社会から切り離された自分だけの時間を過ごして、呼吸がリセットできますように。