2024/02/06

教えることは容易く、それを聞くことも容易い

 難しいのは、その言葉を導き手として己の心に隠されたものを確かに見つけ、我がものとすること。

ー新釈 猫の妙術 武道哲学が教える「人生の達人」への道 著者:佚斎樗山 訳・解説:高橋有ー より抜粋



タイトル~上記文章は、この本に出てくる猫のセリフです、猫ですよ、猫ちゃん。
なんて人生(猫生?)に長けた猫なんだ 笑
短い創作物語・昔話なのですが、いやぁこれが、古猫がお侍さんに説く話が本当にためになるし面白いのです。
にゃんこ先生のセリフ、すべてが秀逸過ぎ、心に沁みます。

どんな風に面白いか、少し紹介。
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ある日、お侍さんの屋敷に大きくて凶暴なネズミが居ついてしまった。
あまりに素早くてお侍さんは捕まえられず、飼い猫は震えあがって逃げてしまう。

仕方なく、お向かいからネズミ捕りの技をたくさん持っているという猫を借りてくる
が、技すべて通じず惨敗。

次に、威圧感が自慢の猫が助っ人に登場するも、上回るネズミの威圧感に圧倒され敗退。

ならばと、今度は荒ぶる心に寄り添い怒りを鎮めるという猫を連れてくるも、寄り添えたと思わせ裏をかかれて失敗。

かくなる上は・・・
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ここで、前述のよぼよぼガリガリの古猫が登場いたします。
本当にこの猫で大丈夫なのか???というお侍さんと飼い猫、助っ人猫3匹が見守る中、古猫がゆっくり近づいていくと、なんと狂暴な大ネズミはぴゅー――ッと戸口の外へ飛び出していってしまうんです。

えええええーーーw(゚Д゚)w

ってなりますよね 笑
こうして、なぜ皆が大ネズミを追い出せなかったのか、どうして古猫は追い出せたのか、老荘思想を土台に、武術の道理さらには生きるとはなんぞや?を説く、というお話です。

私はこのあらすじを読んで、この古猫が説く話が知りたくて即アマゾンで購入 笑
実際読んでみて、とても面白い昔話でした。

古猫が説く武道の道理はスノーボードに活きる話でびっくりでしたし、
今の時代にどう生きれば振り回せれないのか?とか、
教えとは学びに昇華させてこそ価値があるみたいなこと、
つまり老荘思想なんですが、そんな難しそうなテーマを誰が読んでも楽しめる物語に仕上がっている「猫の妙術」。
いやぁ、おみごと、にゃんこ先生!です。

面白いのに読み終わった後なんだかとてもためになる、不思議な心の充実感が味わえますよ。

さらにマニアックな方は、「古武術の発見」という本もセットで読むとさらに面白いです。
https://shizenya4008.blogspot.com/2023/01/blog-post_19.html

しぜんや  ウェブサイト:https://sites.google.com/view/shizenya4008/